2007年05月14日

厚い文庫、薄い文庫 その5

ゲーテの夏

  •  リジィ/

  • 販売元/出版社 新風舎

  • 発売日 2006-10


Amazon/楽天ブックス

もはや感動を通り越して呆れかえってしまうのであった。
いったい何を考えているんだろうかともいいたくなるこの薄さ。一冊の文庫本でありながら、そのページ数はわずか五十四ページなのだ。それでいて550円という価格。
薄くなればなるほどページ単価が高くなるのは仕方ないことだけれども、単純なページ単価だけをみればおそろしくコストパフォーマンスの悪い本である。
この薄さとこの価格、あらゆる面でマイナス方向に働いているとしか思えないのだけれども、よっぽど本として出版したかったんだろうなあ。もしくは強引に押し切られたか。
で、この本、新風舎出版賞〈フィクション部門〉で優秀賞を獲った作品と言うことだけど、この賞の応募規定をちょっと調べてみたら、「400字詰原稿用紙換算で30枚以上」となっていた。
ということは、ぎりぎりの枚数で応募して受賞したら、想像したくもない薄さの文庫本が登場する可能性があるということだ。
三十ページにも満たない薄さの文庫本というものを見てみたい気もするが……、それを文庫本と呼ぶのはちょっと抵抗がある。というより本とは呼びたくない。
というわけでまあ、後は勝手にやって欲しいといったところだ。

厚い文庫、薄い文庫
厚い文庫、薄い文庫 その2
厚い文庫、薄い文庫 その3
厚い文庫、薄い文庫 その4  


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2006年09月14日

厚い文庫、薄い文庫 その4

おれは今、猛烈に感動している。
なぜならば、
厚い文庫、薄い文庫
厚い文庫、薄い文庫 その2
厚い文庫、薄い文庫 その3
と歩んできた遍歴に新たな一歩を追加することができたからだ。

なんてご大層なことを書いてしまったけれども、まあ要するに、またしても薄い文庫本を見つけてしまっただけに過ぎないのである。
お菓子のおまけで付いてきた「クリスピー物語」の時に、これはおまけだからひょっとしてもっとも薄い文庫本になるのかもしれないと淡い期待を抱いていたんだけれども、意外や意外、まあ薄いことは薄いんだけれど、128ページもあったのでがっかりしたことはまだ記憶に新しい。
そもそも、昔に比べて活字が大きくなってきている今現在、同じ分量の内容であっても昔と比べればページ数がふえてしまうのである。厚い文庫が記録更新される可能性に比べれば、薄い文庫が記録更新される可能性は非常に小さい。
と思っていたところで、うっかり見つけてしまったのである、薄い文庫本を。
やっぱりこのときも一瞬は出版社目録かと見間違えてしまったけれども、うれしくなるようなこの薄さ。恐る恐る手にとって調べてみるとなんと64ページ。

きずな」 あすか著

ほれぼれするほどの薄さ、素晴らしいではありませんか。無駄に厚い本に対して、これを見習えと見せつけてやりたくもなります。もっともおそろしくコストパフォーマンスは悪いですが。

またしても新風舎。  

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2005年06月09日

厚い文庫、薄い文庫 その3

厚い文庫、薄い文庫厚い文庫、薄い文庫 その2なんてことを書いてしまったため、もうこれ以上の発見はないだろうと思いつつも、書店で薄い文庫を見つけると手にとってページ数を調べてしまう癖がついてしまいました。
で、今日も今日とて新刊を求めて書店に行けば…見つけてしまったわけですよ。今まで以上の薄い文庫を。
杉山未来の「クラゲの記憶」です。なんと84ページです。最初は出版社の目録と勘違いしてしまいました。
第4回新風舎文庫大賞優秀賞受賞作品ということですが、いや凄いです。この薄さは。
値段は税抜きで550円ですから、ちょっとコストパフォーマンスが悪すぎるのが難点です。  

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2005年05月20日

厚い文庫、薄い文庫 その2

風に流されて、何か黒い紙のようなものが飛ばされていました。よく見ると小さなツバメです。ちょうど巣立ちの季節なのでしょうか。
前へ前へと飛ぼうとしているのに、風にまけて押し戻されてしまっています。
一生懸命飛んでいるのに、風にまけて横へと流されてしまっています。
かわいい声で鳴きながら飛んでいるその姿に柄にもなく「がんばれ」と声をかけました。

で話は変わりますが。

世の中そんなに甘くないというか、本の世界も奥が深いのです。
あれからまた書店に行って新潮文庫の棚を眺めていたら、さらに薄い本を見つけてしまいました。
志賀 直哉の「和解」。なんと120ページです。しかも字が小さい。総ページ数としては128ページとなってしまうのですが、藤沢 周平の「静かな木」よりも発行年が古いです。しかし、さらに調べてみると改版される前の「和解」は117ページです。
総ページ数は一緒だったものの、もっとも薄い文庫本は「和解」で決まりかなと思ったら、上手がいました。
アンデルセンの「絵のない絵本」は109ページです。総ページ数にして112ページ。
しかし、安心するのはまだ早かった。
谷崎 潤一郎の「春琴抄」は106ページ。
とりあえずこんなものだろうと、調べることは止めて本来の目的であるおもしろそうな本の物色に回っていたところ、岩波文庫のコーナーにたどり着きました。
なんだか薄い本が目に付きます。

トルストイ「イワン・イリッチの死」。105ページ。

恐るべし、岩波文庫。

しかし、新潮文庫で使われている紙は、ローラーで締めた薄く腰が強い紙を使っていると聞いたことがあるので、薄さという点では「春琴抄」の方が若干薄いのかもしれません。

厚い文庫、薄い文庫
厚い文庫、薄い文庫 その3
厚い文庫、薄い文庫 その4
厚い文庫、薄い文庫 その5  

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2005年05月18日

厚い文庫、薄い文庫

谺 健二の「赫い月照」を5軒目の書店で見つけてようやく買いました。内容的に重量感のある本だということは覚悟していたのですが、物理的にも重量感があることは失念していました。平台の上に置かれていたので、他の本の高さと比較しながら、まだ2、3冊は残っているなと思い手に取ったところ、下に本はなく、平台が顔をのぞかせたのです。
分厚い文庫本は京極堂シリーズがあるのでびっくりする程の厚さではなかったものの、京極堂シリーズはノベルス版で読んでいるので文庫版では読んでいません。いざ自分が読む立場になってみると、分厚い文庫というのは飾っておく分には楽しいが、読む分には迷惑であることにあらためて気づかされました。

そしたら、ふと思ったわけですよ、一番厚い文庫本はなにかって。  
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2005年05月13日

調べるということ

宮平栄治の経済コラム第38回「理想の社長とは」を読んでいて、エントリーシートや履歴書の「尊敬する人物」に関しての部分で目からうろこが落ちた思いをしました。

なぜ、エントリーシートや履歴書の“尊敬する人物”の項目があるのかを尋ね、考えさせ、それから“両親”と書かれると面接担当者は学生の両親に関する情報はなく、そのため、学生がどのような事柄で人物を評価し、その理由を聞くことで学生と面接担当者とのコミュニケーションの機会が失われるマイナス面を説明しています。

なるほど、そういう意味合いがあったのかと。
尊敬する人物という質問に関して深く考えたことは無かったのですが、勉強になりました。
で、自分の時はどうだったか振り返ってみようとしたのですが、なにぶん忘却の彼方。履歴書にそんな項目があったのか、面接でそんなことを聞かれたのか…。自分の記憶はさっぱり当てにならないのでgoogleでちょっとばかり検索してみたわけです。
そうしたらびっくりなわけですよ。
面接担当者の心構えでは、就職差別につながる14項目として、

「尊敬する人物を尋ねることによって、「思想」や「生活信条」を引き出そうとするもので、憲法第19条「思想及び良心の自由はこれを侵してはならない」に違反するものです。

いちおう裏付けをとる意味で厚生労働省のサイトも調べてみると、公正な採用選考についてでは、採用選考に当たって避けていただきたい項目として「尊敬する人物に関すること」がありました。国としては、採用試験では聞いてはいけない項目とされていたのです。

私が面接官になるようなことは、今も将来もあり得ないのですが、考えさせられることが多くて毎日大変ですよ。まぁ、大変なのは好奇心旺盛なこの性格のせいなんですが。


話は変わりますが、

米沢穂信 『クドリャフカの順番 怪盗十文字事件』 5月下旬発売

という情報をつかんだので、今月発売だと喜んでいたのですが、念のため作者のサイトを調べてみたら、誤報でした。
正式な題名も「クドリャフカの順番 『十文字』事件」とのことです。

調べるってことは、やはり大切です。  

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2005年04月21日

一つのニュースから

朝飯を食べながらテレビを見ていると、作家の丹羽文雄が亡くなったというニュースが流れた。
名前だけは知っているが、この人の本は読んだことがない。晩年はアルツハイマーをを患っていたとはいえ100歳だったそうだから長生きしたといえよう。
で、作家で長生きというとSF者の私は、今日泊亜蘭を思い出す。もちろんペンネームで「きょうどまりあらん」と読む。今年で95歳だ。
今現在、最後に発表した作品は「我が月は緑」で、それ以降作者は沈黙を守っているのだけれど、この作品、戦後初のSF長編「光の塔」の続編で、なんと続編の予告をしてから30年経ってようやく書かれたものである。
ふと気になって、「我が月は緑」が何歳の時に書かれたものなのかこのページを調べてみることにした。雑誌連載開始がSFマガジン349号〈1987年2月号〉ということ。2月号は前年の12月に発売されるので、1986年、76歳の時に書かれたものであったことが判った。はっきり言って「我が月は緑」は76歳の人間が書いたとはおもえない程の傑作だ。
まぁ、それはおいといて。
で、ようやく本題に入ることになるのだが、同じサイトのこのページを見て驚愕してしまったのである。

400号〈1990年10月号〉『創刊400号記念特大号』
『マイクの選択』 アイザック・アシモフ
『ドリ・バングズ』 ブルース・スターリング
『太陽系最後の日』 アーサー・C・クラーク
『吹きわたる風』 チャド・オリヴァー
『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス
『広くてすてきな宇宙じゃないか』 ヴァンス・アーンダール
『順応性』 キャロル・エムシュウィラー
『深淵』 ロバート・A・ハインライン
『反対進化』 エドモンド・ハミルトン
『表面張力』 ジェイムズ・ブリッシュ
『現実創造』 チャールズ・L・ハーネス
『キャサドニアのオデッセイ』 マイクル・ビショップ
『死の鳥』 ハーラン・エリスン
『月の蛾』 ジャック・ヴァンス
『狂気の効用』 ラリイ・ニーヴン
『ドッグウォーカー』 オースン・スコット・カード
『鏖戦』 グレッグ・ベア

SFマガジン400号の記念号に掲載された海外作家のリストなのだが、記念号ということで名作ばかり取りそろえてある。そして当時SFマガジンを毎号購読していなかったわたしも、この号だけは買ったのだ。
というか、SFが好きだと公言している人間ならば、このラインナップを見て素通り出来るわけがない。このラインナップに関してもいろいろと書きたいことが出てくるのでが、それはまた別の機会にしておいて、驚愕の事実へと進もう。
いったい私は、何に驚愕したかというと、ラインナップ中の、

『反対進化』 エドモンド・ハミルトン


読んで見なけりゃわからないで、

入手困難で読みたくても読めなかった「反対進化」読み終えました

と書いたくせに、「反対進化」の掲載された400号をわたしはは持っているではないか。
買っても積読本にしてしまった本、多数。雑誌の場合掲載されている小説の大半は目を通さないわたしですが、当時「反対進化」を読まなかったはずがありません。

おもしろい本を読み終えた後、「この本を読んだという記憶をなくすことが出来たなら、もう一度この本を楽しむことが出来るのになぁ」と思うことが多々あるのですが、たいして記憶力のない自分でも、おもしろかった本に関してだけは忘れてしまうことがありません。
と、そのはずだったのですが、ほんとにそんな忘れてしまっていたとは…

好奇心、ねこをも殺すと言いますが、たった一つの何気ないニュースから、こんな事実を突きつけられるとは思っても見ませんでしたよ。  

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