2008年04月24日

日の砦

日の砦 (講談社文庫 く 4-4)

  •  黒井 千次

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2008-03-14

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特に何か特別なことが起こるわけでもなく、ごく当たり前の日常が描かれているのだけれども、そこに描かれている日常は安定した生活であるのに何故か不安定な状態として描かれ、読んでいてこちらまで不安になってくる。
例えば、近所に住む老女が自宅の玄関の鍵をを開けようと四苦八苦しているので手伝おうとしたら鍵が合わない、という話がある。そして老女が持って出たのはこの鍵だけだという。合わない鍵でなぜ玄関の扉が閉まっているのか不思議なのだが理由は一緒に住む老女の娘が用心のためにオートロックにしたからである。
そして娘は夜にならなければ帰ってこない。ほっとくわけには行かないので自分の家に連れてくるのだが、主人公たちは、このまま自分の家に居座られてしまったらいやだなあなどと思ったりもする。困っている人をほっとけないけれども必ずしも善人ではない主人公たち。
夜になって老女の娘が帰ってきたので、老女がこんな時間まで外にいた理由を説明をしてあげようと老女と一緒に家まで行くのだが、老女はそそくさとチャイムをならし、半分ほど開いた扉からするりと家の中に入ってしまう。そして玄関の鍵はカチリとしめられ、誰も出ては来ない。主人公はその場に一人取り残されるのである。
その他に、家が老朽化してきたので立て直そうという話がある。
家族の会話でその話が出た次の日から、勝手口の扉が開かなくなったり、床がふわふわしているような感じがしてきたり、真夜中に何か大きい物がドシンと落ちる物音がしたりする。そしてその話の題名は「家の声」。
なにやらオカルティックな方向へと進んでいくのだが、超常現象などは起こらない。あくまで普通の日常が描かれるままなのである。しかし不安な気分は残ったままだ。
最終話では、結婚して外へ出ていった長男夫婦から、今からそっちに行ってもいいかという電話がかかってくる。いつもなら少なくとも前日には連絡を入れてから来るのに、何かあったのだろうかと主人公は考える。もちろん読者も何かが起こることを期待する。しかし、何があったのかは描かれないまま物語は終わるのである。
そして何があったのかわからないままという、もやもやとした得体の知れぬ不安感が頭の中に漂ったままの状態で本を置かなければならないのだ。  
タグ :黒井千次

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2008年04月21日

「瑠璃城」殺人事件

「瑠璃城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-2)

  •  北山 猛邦

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2008-03-14

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最初の舞台は、日本最北の地に建てられた「最果ての図書館」である。「1989年 日本」となってはいるものの、現実味など全くなく図書館の外には何もない空間が広がっているだけじゃないのかと思ってしまう。
さらにだめ押しで主人公たちは何度も「生まれ変わり」を繰り返しているというのだ。
思わず目眩がしそうな展開になってくるのだけれども、幻想ミステリとして考えれば作品全体に流れる雰囲気そのものは悪くはなく、これらがどのように合理的に解釈されるのかという部分に興味が出てくる。
しかし、読み手の期待はあくまで勝手な期待であって前作と同様に、「これはそういう設定なのだ、合理的な解釈など存在しない」という作者の言葉が響き渡る。
というわけで、何処までの部分が基本設定でどこからがミステリとしての合理的な解釈がつく領域なのかという部分が曖昧だった点が不満でもあるけれども、前作と同様、首を切断した理由が素晴らしかった。
あまりにも身も蓋もない切断理由に、次作でもとんでもない理由で首を切断してくれないものかと期待をしてしまうのである。  
タグ :北山猛邦

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2008年03月06日

届かぬ想い

届かぬ想い (講談社文庫 そ 4-5)

  •  蘇部 健一

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2008-02-15

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不治の病におかされた我が子を助けるために治療薬を求めて未来へとタイムトラベルをする父親。
梶尾真治あたりが書けば、悲しく切ないタイムトラベル物かもしくは切ないながらもハッピーエンドの感動的なタイムトラベル物に仕上げるだろうけれども、蘇部健一は違った。
他の作家ならば、こんなネタ使えないよなあと捨てさってしまうようなネタを、わざわざ選んで拾い上げて使ってしまったかのような感じでもある。
まあタイムパラドックスの処理の仕方そのものにはそれほど新味はないのだけれども、手堅い処理の仕方でそのあたりは安心して読むことが出来る。しかしこの本の真骨頂はそんな部分ではなく、ラストの嫌悪感なのだ。
といってもいきなり奈落の底に突き落とすような真似をしているわけではなく、読んでいればだんだんと嫌らしさがにじみ出てくるので、読んでいるうちにある程度覚悟ができはじめる。
そもそも主人公は「赤い糸」を信じていながら複数の女性を好きになってしまうのだ。お前の赤い糸は何本もあるのかと言いたくなるほど惚れっぽい。しかし主人公自身はそれほど悪い人間ではなく、要するにごく普通の人間にすぎないのだ。
ただ、それ以上に異常な人間が一人いたというだけにすぎないのだが、それにしても吐き気を催すような結末だった。  
タグ :蘇部健一

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2008年02月29日

灰色の北壁

灰色の北壁 (講談社文庫 し 42-14)

  •  真保 裕一

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2008-01

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『奇跡の人』を積読本にしてしまって以来、なんとなく真保裕一から離れてしまっていたのだけれども、『ホワイトアウト』以来の山岳ミステリということで読んでみることにしてみた。
『ホワイトアウト』が山岳ミステリなのかどうかという問題はさておき、三編からなる短編集で、なおかつそれほど厚くないということが読んでみようと思った一番の理由なのだが。
ミステリといっても殺人事件が起こるわけではなく、どちらかといえば山岳小説といったほうが近いのだが、遭難した登山者を救出する物語「黒部の羆」などでは、どこがミステリなのだろうと思いつつも読み進めていくと最後になってあっと驚く仕掛けがほどこしてあったりして、ああなるほどと思ったりもする。
「雪の慰霊碑」では、山で息子を亡くした父親が、数年後に同じ山に登るという話なのだが、何故山に登るのかというのが謎となっている。その結末はちょっと出来すぎというか安易な感じもしないでもないのだが、読後感が非常に良く、ああ良い話を読んだという気分にさせてくれる。
しかし表題作が一番面白い。
誰一人として制することが出来なかったホワイト・タワーと呼ばれる山の北壁登頂に成功する。しかし彼の写した山頂写真に疑問の声があがる。彼は本当に山頂にたどり着いて写したのだろうかという謎なのだがその真相が分かった時、ひさびさにミステリらしいミステリを読んだという気分にさせられた。そこに悪意が無いのが良いよなあ。  
タグ :真保裕一

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2008年02月14日

魔女の隠れ里

魔女の隠れ里 (講談社文庫 は 78-4 名探偵夢水清志郎事件ノート)

  •  はやみね かおる

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2008-01

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都筑道夫に挑んだのか、木をまたいだシュプールの謎が登場する。
スキー場におけるこのような光景は絵的にには素晴らしいんだけど、都筑道夫の他にもたがみよしひさが挑戦していたりして前例があるので、こんな現象不可能じゃないし、なんか仕掛けがあるんだろうなと思ってしまうあたり、謎としては賞味期限切れといった感じかな。
さらには、これを発端として次々不思議な謎がまき起こるのだろうと思っていたのだけれども、シュプールの謎が解けたら第一部があっさりと終了。幕間をはさんで第二部が始まるんだけれどもこれは第一部とは全く違う事件で、変な構成だなあと思っていたら第二部を読み終えたらその構成の妙に感心してしまった。ああ、確かにこの構成じゃないとだめだよなあ、今回の話は。
しかしそれ以上に素晴らしいのは第二部の内容で、村おこしのために推理ゲームが企画されるのだが、招かれざる客や謎の人物による犯行予告と定番の出来事が起こる。
ゲームがゲームでなくなったとき、普通のミステリならば殺人事件が起こるだろうけれども、殺人事件を起こさないところが素晴らしいのだ。子供向けミステリというであるというのがその理由だろうけども、血なまぐさい事件を起こさずにみごとなミステリに仕上げているのだ。
それだけに、この本のみに追加されたあの真相は余分な気がする。まあいやならそこだけ読み飛ばしをすればいいのだけれども。  


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2008年01月10日

『クロック城』殺人事件

「クロック城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-1)

  •  北山 猛邦/

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2007-10


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一ヶ月後には世界は終末を迎えるという設定は、破滅SFが好きな人間にはたまらないものがある。世界が終末を迎えることに対してのあきらめが入った状況と雰囲気はなかなか悪くはない。
おまけに、世界を破滅から救おうとする超法規的な組織が登場するのだ。彼らは世界滅亡の原因となる「真夜中の鍵」というものを探している。その一方で、「十一人委員会」なる組織があり、彼らも「真夜中の鍵」を探しているのだが、彼らにとっての「真夜中の鍵」は世界を救う代物なのである。
はたしてこんな設定がミステリに必要なのであろうかと思ってしまうし、ミステリに突入などせずこのまま突っ走って欲しいなあと思ってしまうくらいに魅力的な設定なのだが、残念なことに殺人事件が起こってしまうのである。もっとも、このまま突っ走ったとして面白い話になったのかといえば、おそらくならなかったと思うが。
警察は既に機能してはおらず、不可能殺人など行うメリットも無いのだが不可能殺人が起こってしまうのだ。しかし後一ヶ月ほどで世界が滅んでしまうという状況で、事件の謎を解いて犯人を捜し出す意味があるのであろうか。そのあたりはとりあえず強引に突き進んでいってしまうのでうまく丸め込まれてしまった気分で仕方ない。
そもそも、上記の設定の他にも実体のある幽霊などが登場するし、何処までのことが起こりえる設定の世界なのかはっきりとわからないというか、何が起ころうとどうでもよくなってくる。登場人物たちは謎解きをあきらめないのだが、読者の方があきらめてしまうよこれじゃあ。
ではミステリとして駄目なのかといえばそうでもなく、肝心の物理トリックよりも首を切り取った理由に驚いた。説得力があるかどうかは別問題としてそんな理由で首を切り取るとは思わなかったよ。  
タグ :北山猛邦

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2007年09月03日

消える総生島

消える総生島<名探偵夢水清志郎事件ノート> (講談社文庫)

  •  はやみね かおる/

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2007-07-14


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本格ミステリを読むときには、犯人やトリックなどを当てようとは思わず、純粋に意外な犯人とか意外な真相とか、驚天動地のトリックとかを作者に騙されて楽しむようにしているのは、単に当てようとしても当たらないからです。無理して当てようとして、さっぱり判らなかったときに思い知らされる自分の馬鹿さ加減を味あわされるよりかは、騙されて驚いて、そして楽しむ方が気分的にはもの凄く楽なわけですよ。とはいってもたまには真相を当ててみたいという気分になるときもあるわけですが。
で、今回は消えるはずがない物が消える話で、まあ古典ミステリをある程度読んでいれば、だいたいどういうトリックがつかわれているのかは想像がつくわけです。このあたりは、連続バラバラ殺人が起こった場合、頭のない人物が怪しいというのと同じようなたぐいのものなので、見抜けたからといってえらいわけではないのですが、仕掛けがわかるとなんとなく気分がいいわけですよ。
もっとも、それを成立させるための手段がとんでもないというか、唖然とするというか、そんな方法が使われているなんて思う方がおかしいよといいたくもなるのですが、そういう方法がとられていても全然おかしいとは思わない世界観のようなものがこのシリーズにはあるわけで、そんな部分も読んでいて楽しくなってくるのです。  

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2007年05月16日

フリッカー式<鏡公彦にうってつけの殺人>

フリッカー式<鏡公彦にうってつけの殺人>

  •  佐藤 友哉/

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 2007-03-15


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文庫化されたら読んでみようと思っていたのでようやく読むことができたのだけど、残りのシリーズも順調に文庫化されるのだろうか、って心配しても仕方ないか。
あとがきを読む限りでは多少の修正が入っているらしいんだけれども、まあどこがどう変わったのかなんてのは初めて読むのだからよく判らない。しかし作中の年代が2007年となっていたので、年代を変更したのかと思ったりもしたけど、驚くことに元々2007年で、年代は変更していなかった。
ということは元々は近未来の話だったわけで、そう考えるとあのような結末というか、ほのめかし方をしてもおかしくはないわけだったのかと妙に感心してしまったけど、そんな些細な部分で納得がいったとしても、そのほかの部分がむちゃくちゃ過ぎる。事件の真相の段階になってまさかあんな化け物が登場してくるとは思っても見なかったよ。
チェスタトンは「木の葉は森へ隠せ」と表現したけれども、まあ変な設定は変な設定の嵐の中に隠したというか、うーむ……。
文庫で450ページほどもあったけれども思いの外するすると読み終えることが出来たので、まあ助かった。  

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2007年05月04日

孤独なアスファルト

孤独なアスファルト・蟻の木の下で―江戸川乱歩賞全集〈5〉

  •  藤村 正太/西東 登/

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 1999-03


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蟻の木の下で』が目当てだったので、こちらの方はたいして期待をしていなかったんですが、意外や意外これがなかなか面白い。
社会派推理の部類に入るだろうと勝手に推測して今まで読まなかった自分を恥じ入るばかりです。もっとも江戸川乱歩賞受賞作を重点に読んでいた若いころだったらこの面白さはわからなかっただろうねえ。
ウールリッチを彷彿させるような都会の孤独さを出そうとしてはいるけれども、それがあまり生きてこないのが惜しいところで、話の冒頭、田舎から上京してきた一人の青年が東北弁コンプレックスで都会の中で孤独な状態となってしまい、さらに追い打ちをかけるかのごとく殺人事件の容疑者扱いとなってしまうまでは良いのだけれども、途中で主役が交代してしまうのだ。
さすがにこの青年を主人公としたまま事件解決に乗り出すにはリアリズムに徹し過ぎたというべきか。ウールリッチ並みの開き直りがあれば何とかなったかも知れないけれども……。
もっとも主役が交代してしまってつまらなくなるのかと言えばそうではなく、そこから事件の捜査と謎解きの面白さが始まるのだ。
面白かったけれども、もっと面白くなりそうな部分があるだけに非常にもったいない話だなあ。  

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2007年03月28日

蟻の木の下で

孤独なアスファルト・蟻の木の下で―江戸川乱歩賞全集〈5〉

  •  藤村 正太/西東 登/

  • 販売元/出版社 講談社

  • 発売日 1999-03


Amazon/Bk1/楽天ブックス

江戸川乱歩賞受賞作と聞いても最近はあまりときめくことがなくなってしまったのですが、かつては江戸川乱歩賞受賞作品をむさぼり読んでいた時期がありました。
その時期にかなり読んだはずだなあと思っていたのですが、いざ読んだ作品の数を数えてみると思っていたほど読んでいませんでした。一口に江戸川乱歩賞受賞作といってもさまざまなジャンルの作品がありますから、偏った読み方をしていたとしても仕方ありませんけど。
西東登の「蟻の木の下で」も当時食指が動かなかった作品でした。
冒頭の熊による殺人から始まり、新興宗教団体の役員選挙問題、とある商社のカメラ輸出のトラブル、第二次世界大戦中の日本軍兵士が起こしたある事件等々、かなり盛りだくさんの内容。
それが文庫にして350ページほどの分量の中で語られるわけですから、個々の問題の掘り下げ方が不足気味かつ、都合の良すぎる展開をしていってしまう。しかし実際に読み始めてみると変に長くないせいかテンポよく話が進み、想像していた以上に面白い話となっておりました。
物語の白眉となるのはやはりタイトルにも使われている蟻の木の下で起こったある事件。この蟻の木の二枚の写真から何が起こったのか判明する場面は背筋がゾクリとします。
そしてもう一つはこの事件の真犯人像。私が子供の頃はまだ存在していた光景でしたが、もうそんな光景などすっかり過去の物となってしまっております。それだけ戦争の影が薄れてしまったということでしょう。
戦争の影が薄れていくこと。それが良い方向へと向かっていることを願って止みません。  

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2007年03月13日

亡霊は夜歩く

亡霊(ゴースト)は夜歩く

亡霊は夜歩く
はやみね かおる

前作はちょっと物足りなさがあったのだけれども、今回は前作の物足りなさを補ってお釣りが来るくらいでした。
今回の舞台は学校、そして文化祭の季節。なんといっても文化祭ですよ、文化祭。主人公たちの通う学校は、文化祭のための準備期間が五日間もあり、しかもその期間は授業無し。おまけに前夜祭までついているというなんとも素晴らしい学校。そんなわけですから事件と平行して文化祭の準備の様子がみっしりと語られるわけですよ。いやこれが読んでいて実に楽しい。
で、肝心の事件の方はといえば、これまた島田荘司ばりの豪快なトリックがあったりして、そこまでするかという気もしたりするんだけれども、そのあたりは作者のサービスということでさておき、動機の方は前作と同様、読んだ子供たちが考えされられるような、ある種の教育的な面もあって、手抜かりはありません。
そういう意味では贅沢な作りな作品で、こういう話を子供の頃に読むことができた人たちがうらやましいものです。  

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2007年02月21日

吉田電車

吉田電車
吉田 戦車〔著〕
  

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2007年01月25日

ネジ式ザゼツキー

ネジ式ザゼツキー
島田 荘司〔著〕
  

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2006年11月28日

プラネタリウムのふたご

プラネタリウムのふたご
いしい しんじ〔著〕
  

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2006年11月27日

せちやん 星を聴く人

せちやん
川端 裕人〔著〕
  

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2006年10月11日

そして五人がいなくなる

そして五人がいなくなる
はやみね かおる〔著〕
  

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2006年09月06日

休みの国

休みの国
中島 らも〔著〕
  

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2006年07月21日

桜宵

SF界隈では「カズムシティ」と「イリアム」の分厚さが話題となり始めている今日この頃ですが、まだ現物を見ていません。
まあ、偶にであれば分厚い本を読むのも良いのですが、読書も体力がいるものですからどちらかといえば薄めの方がありがたいものです。

桜宵
北森 鴻〔著〕
  

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2006年06月02日

もつれっぱなし

もつれっぱなし
井上 夢人〔著〕
  

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2006年05月03日

吉田自転車

オレだったならば絶対このタイミングで出すよなあと考えていた、というよりも単なる願望にすぎなかったのだけれども、六月のハヤカワ名作セレクションでレムの「砂漠の惑星」が出ます。泰平ヨンシリーズの可能性もあったのだけれども未読の「砂漠の惑星」の方が選ばれて良かったよ。
良かったと言えば、石黒達昌の新刊もハヤカワJコレクションで六月に出る模様。オールタイムベスト短編版で「人喰い病」を選んだぐらい好きな作家なので非常に楽しみ。待ち続けた甲斐がありました。
待ち続けたといえば、橋元淳一郎の第一短篇集が講談社から。なんだか凄すぎます。

で、凄かったといえば……。

吉田自転車
吉田 戦車〔著〕
  

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