2008年02月05日

怪奇小説という題名の怪奇小説

怪奇小説という題名の怪奇小説 (1980年) (集英社文庫)

  •  都筑 道夫/

  • 販売元/出版社 集英社

  • 発売日 1980-01


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飛ぶ鳥をも落とす勢いであると言ったらちょっと過言かもしれないけれども、そんな勢いのある道尾秀介が選ぶオールタイムベスト3の一つが都筑道夫の『怪奇小説という題名の怪奇小説』。
で、読んでみるとなんとも形容しがたい不思議な小説だ。
主人公は怪奇小説を依頼されたとある作家。得意のジャンルなので簡単に書くことが出来るだろうと思っていたらこれがなかなか書くことが出来ない。子供の頃の体験談を思い出しながらなにか使えそうなアイデアが無いものかと思案するところから物語が始まるのだけれども、これの部分だけ読むと単なるエッセイにしか見えないところが巧妙な部分で、それからいきなり怪奇小説の定義に移り、その成功例の一つとして自分の訳したジョン・スタインベックの「蛇」がまるごと掲載される。おそらく翻訳権とかは取得したはずだろうけれども、小説の中に他人の小説が丸ごと入っているというのはどうも居心地が悪いものだ。しかしそう思い始めてしまうと、もうそれは作者の手中にとらわれてしまったわけで、境界線の曖昧な不思議な世界に翻弄されるのだ。
光文社の都筑道夫コレクションには何故か収録されなかったけれども、ジャンルを決めて収録作品を整えた都筑道夫コレクションに入れるとなると作品自体のジャンルを決めてしまわなければいけなくなるわけで、ジャンル決めをしてしまうと面白みが欠けてしまうこの作品、かえって収録されなくて良かったのかも知れない。  
タグ :都筑道夫

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2007年12月03日

夜を買いましょう

夜を買いましょう (集英社文庫 あ 51-2)

  •  浅暮 三文/

  • 販売元/出版社 集英社

  • 発売日 2007-10


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ケータイ小説だということでそれほど長くない話だと思っていたら、実物を見て驚いた。もちろん、連載時のまま文庫化されたわけではなく加筆訂正があったことはわかるのだが、文庫にして500ページ近くの分量である。侮っていたよケータイ小説というものを。しかし、これだけの分量を携帯で読みたいとは思わないな。
想像していたような話ではなく想像していたような話からすこしずれた方向に進んでいってしまった話だったのだけれども、読んでがっかりしたかといえばそうでもない。
作者のあとがきによれば、この物語を読んで経済に関して少しでも考えてもらえれば云々ということであったのだが、読みながら作者の希望通りに経済に関して考え込んでしまった。
要するに作者の思惑通りの読み方をしてしまったわけでうまいこと作者の手の上もてあそばれてしまったわけだが、ここまで思惑通りの読み方をしてしまうと非常に気持ちがいいのである。もちろん負け惜しみなどではない。
しかし、スペキュレイティブ・フィクションという言葉を久しぶりに聞いた気がした。本当に久しぶりというわけではないのだが、まごうことなきスペキュレイティブ・フィクションだと呼べる物語でもあったからである。  
タグ :浅暮三文

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2007年02月27日

ジャージの二人

ジャージの二人
  

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2007年02月19日

となり町戦争

となり町戦争
三崎 亜記著
  

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2006年12月15日

サウンドトラック

サウンドトラック 上
古川 日出男著
  

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2006年10月13日

ハナシがちがう!

ハナシがちがう!
田中 啓文著
  

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2006年02月11日

憲法なんて知らないよ

憲法なんて知らないよ
  

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2006年01月31日

ねじの回転

ねじの回転 上
恩田 陸著
  

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2005年04月16日

気持ちよく騙されたい

「石の中の蜘蛛」読み終わりました。


ごめん、ついていけませんでした。話に。

事故の後遺症のせいで、聴覚が異常に鋭くなってしまった男が、音を頼りに失踪した女を探すってのがあらすじですが、誰かに依頼されて探そうとしているわけではなく、失踪した女が男の知り合いだったわけでもなく、いうなれば男は単なるストーカーのようなものなのです。ですから主人公に共感できるわけもなく、「勝手に探せや」って思ってしまうわけです。
一方、鋭くなった聴覚に関しては、丁寧に描写されています。嗅覚が鋭くなってしまった「オルファクトグラム」の聴覚版とでもいえそうなのですが、あちらは臭いを視覚的に表現しているのに対し、こちらは視覚的に感じる描写はあるもののあくまで音として描写しています。このあたりはもう、ねっとりって表現が合いそうなくらいに丁寧に描写されているので、ある種ディテールを読む小説ともいえます。
生活臭ならぬ生活音が部屋には染みついているからということで、男はあちらこちらをスプーンでたたいて音を聞き、失踪した女の身長や体重、声の質までも割り出すのですが、どうにもこうにも染みついた音という部分が引っかかって苦痛になり始めました。染みついた音に関しての部分、もう少しうまくいかにもあり得そうなこととして騙してくれればよかったのですが…  

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