2005年04月26日

「顔 FACE」

オンライン書店ビーケーワン:顔

「顔 FACE」読了。可もなし不可もなしといったところ。
「陰の季節」や「動機」と同じくD県警シリーズなのですが全く新しい警察小説と評価の高かった前2作に比べて、あざとさが目立ちます。
主人公自身が「陰の季節」収録の「黒い線」で心に傷を負ったままであるのに、それぞれの話で登場する事件関係者も主人公なみ、もしくはそれ以上に心に傷を負っているため、最初は主人公に共感していても、やがては事件関係者のほうに共感してしまい、主人公はどうでも良くなってくるのです。
また、主人公自身、物語が進むにつれて確かに成長していくのですが、それ以上に主人公を取り巻く環境が全然変わらず、次から次へと厳しい環境が主人公に立ち向かってくるので、成長しているのか、無駄なあがきをしているだけなのかよくわからなくなってきます。
いろいろなものを詰め込みすぎてしまったせいで、屋台骨が透けて見えてしまっているというか、舞台裏が見えてしまったというかんじでした。  

Posted by Takeman at 12:45Comments(2)TrackBack(0)徳間文庫