2008年04月22日

石の花

石の花 上 (光文社コミック叢書“シグナル” 11 坂口尚長編作品選集 1)

  •  坂口 尚

  • 販売元/出版社 光文社

  • 発売日 2008-01-31

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石の花 中巻 (光文社コミック叢書“シグナル” 12 坂口尚長編作品選集 1)

  •  坂口 尚

  • 販売元/出版社 光文社

  • 発売日 2008-02-29

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石の花 下巻 (光文社コミック叢書“シグナル” 13 坂口尚長編作品選集 1)

  •  坂口尚

  • 販売元/出版社 光文社

  • 発売日 2008-03-01

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シミュレーションゲームが好きなのである。
もっとも、どのくらい好きなのかといえばそれを語ったところで、「けっ、その程度の好きさ加減なのか」と嫌みの一つも言われそうな程度なのでここでは語らないが、ゲームを始める前の事前準備に一時間程度は平気でかかったボードシミュレーションゲームで遊んでいた程度は好きだった。まあ当時はそれしかなかったのだけれども。
なにしろ、畳半畳程度の薄い紙の地図の上に一センチ四方のボール紙で出来た数百個の駒を並べるのである。しかもむやみやたらと並べて良いわけではない。どこにどの駒を配置するかで勝負は決まる。ゲームを始める前から既に勝負は始まっており、強靱な精神力がなければゲームが始まった時点では既に気力は使い果たしてしまう恐ろしいゲームなのである。
さらには数十頁もあるルールブックを事前に熟読し頭の中にたたき込んでおかなければならない。そう、まさにゲームを始める時点で「オレがルールブックだ」と言っても構わない状態になっていなければゲームを始めることさえ出来ないのである。しかし、悲しいことにそんなことが出来ていたら今頃こんな生活をしているわけがなく、ルールの解釈の違いから、戦場がボードから離れ、物理的な肉弾戦へと発展しそうになったことも今では懐かしい記憶だ。
それはさておき、『チトー パルチザンの戦い』というボードシミュレーションゲームがあった。パルチザン対ドイツ軍というゲリラ戦をシミュレートした傑作ゲームだったのだけれども、ドイツ対ソ連、ドイツ対イギリス、連合軍対枢軸軍といった他のゲームと比べるとかなり地味だった。それ故に、興味はあっても結局のところ遊んだことはなかったのであるが、それが不幸の始まりだった。
「地味」という印象がこびりついてしまったのである。「パルメザン」チーズは平気なのに、「パルチザン」とくるとこのゲームのことが頭に浮かび、拒否してしまうのだ。そんなわけで、坂口尚の『石の花』も読まず嫌いで今まで通してきた。
が、今回反省の意味も込めてこの豪華版を読み通すことにした。
で、まず読み終えて、よくもここまで肯定もせず否定もせず、あるがままの世界を描ききったものだと思った。
無論、肯定する物は肯定しているし、否定するべき物は否定している。しかしそれはあくまで登場人物にそうさせているのであって、作者が表に出てそう言っているわけではない。
作者の主義主張は確かにそこにあるのだけれども、それは物語の中では目に見える形では現れていない。
というわけで、今まで目を向けないでいた自分に猛省を促したのだけれども、だからといって戦争を扱ったシミュレーションゲームを嫌いになったのかといえばそうでもない。
戦争ゲームをする視点と戦争について考える視点というのは違うのだ。他人はどうであれ、自分の場合は同じ視点で二つを扱うことは出来ない。
ゲームにする時点で物事は抽象化され、抽象化された時点で何かが失われる。
そして大抵の人間は抽象化しなければ物事を把握できないのである。
だから私は、戦争ゲームを楽しみ、そして戦争の悲惨さを描いた漫画を読んで涙する。どちらも矛盾無く存在する私自身なのである。  
タグ :坂口尚

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2008年03月11日

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)

  •  法月 綸太郎

  • 販売元/出版社 光文社

  • 発売日 2008-01-22

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作者には申し訳ないけれども、法月綸太郎は後期クイーン問題で悩んでいた方が面白いんじゃないかと思うのだ。
後期クイーン問題から解脱してしまった法月綸太郎はなんだか物足りない。
まあ短編集なので、悩みの無い法月綸太郎が快刀乱麻を断つがごとく謎を解く話であってもそれはそれで構わないわけであり、そういう意味で非常に端正な物語に仕上がっている。
しかし物語としては悩み無き物語になっているけれども、作者によるあとがきがかなりのところまで楽屋裏を語ってくれてしまっていて、作者の方は相変わらず悩み多きままだったことがよく判る。そこまで内情を暴露しなくてもいいのにとついつい思ってしまうんだよね。
「冥府に囚われた娘」などは「都市伝説パズル」の二番煎じなどと言い訳めいたことを言っているけれど、比較しなくったってこれはこれで良くできているのだから、言い訳めいたことまで書かなくってもいいのにと思うけど、まあそこまで書いてこそ法月綸太郎なんだよなあ。
一番面白かったのは「ゼウスの息子たち」で、双子の扱い方のひねりがかなり面白い。
  
タグ :法月綸太郎

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2008年01月16日

不思議の足跡

不思議の足跡  最新ベスト・ミステリー (カッパ・ノベルス)

  •  日本推理作家協会/

  • 販売元/出版社 光文社

  • 発売日 2007-10-20


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ホラーやSF寄りの話が多いので、その方面のミステリが好きな人間であればかなりお買い得な一冊だった。
伊坂幸太郎の「吹雪に死神」が選ばれているのが納得がいかないのだが、まあそれはともかく生命力を吸って生きている謎の人間型生命体が探偵役の石持浅海の「報い」などは、真相を見抜くことが出来なくても納得のいく結論が出せればそれでいいというスタンスで、都筑道夫の<なめくじ長屋>シリーズに通じるものがあって面白かった。ホラーやSF寄りの話が多いのだが、これを含めて意外と本格ミステリ系の話が多いのに驚いたけれども、やはり全体的に後味の悪い話が多い。
平山夢明版『華氏451度』といった趣がある「オペラントの肖像」は単体で読めば後味の悪い話なのだが、それ以上に後味の悪い話が目白押しで、平山夢明の作品であってもごく普通のSFに見えてしまうから不思議だ。
米澤穂信の「Do you love me?」は山口雅也の『キッド・ピストルズの妄想』のオマージュということで、そういわれればそうだなあと思わないわけではないが、最終的に導かれた結論のとんでもなさには驚いた。設定が設定だから許せるぎりぎりの範囲かな。
しかし、一番の目当てだった桜庭一樹の「暴君」には、まいりました。『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の番外編でもあるけれども、オバケヤシキがなんだったのか?桜庭一樹が出した結論の凄さに圧倒されてしまった。  

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2007年11月09日

心臓と左手 座間味くんの推理

光文社古典新訳文庫から出たクラークの『幼年期の終わり』が、1989年にクラーク本人が一章の部分をまるまる書き直した版からの翻訳だったので思わず買ってしまった。
クラーク本人によるまえがきや巽孝之の解説といい、けっこうこれはお買い得で、読むのが楽しみ。やるなあ光文社。

で、光文社といえば……。


心臓と左手  座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

  •  石持 浅海/

  • 販売元/出版社 光文社

  • 発売日 2007-09-21


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セリヌンティウスの舟』のあまりの展開に衝撃を受けてしまい、積極的に読みたいと思う気持ちがちょっと薄れてしまった石持浅海なんだけど、『月の扉』の座間味くんが登場するとなればついつい手が出てしまう。
最近書かれ始めたのかなと思っていたら、巻末の初出を見ると、かなり昔から書かれていたのにちょっと驚いた。
最終話を除けば全ての話においての基本フォーマットが全く同じというのがなんとも心憎いところで、事件の発生から始まり、書店での待ち合わせ、そして店に入って酒を飲み食事をしながら事件のあらましが語られそして最後に事の真相が座間味くんの口から語られるのである。
ここで語られる全ての事件は、表面上は解決済みであるあたりも作者らしいところなんだけど、謎が解明されるだけであって犯人に対する懲罰までの面倒は見ないで終わっているので安心して読むことができた。
惜しむらくは座間味くんには長編で活躍して欲しい気持ちがあったので、短編よりも長編の方がよかったかなあと思ったんだけどまあこればかりは仕方ないところか。  
タグ :石持浅海

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2006年09月28日

顔のない敵

顔のない敵
石持 浅海著
  

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2005年11月08日

セリヌンティウスの舟

セリヌンティウスの舟
  

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2005年04月23日

こうして読む本がふえていく、その後

「キルケーの毒草」読み終えました。
複数のお話が一つにまとまるかと思いきや、一緒にならずにそれぞれバラバラに同時進行して終わっています。いろいろなものを詰め込んだはいいものの、うまく混ざり合わさずに終わってしまった感じです。
最初からそういうお話だったのならばそれはそれである種すごい事なのですが、読む方としては最後に一つとなることを期待しているのですからたまったものではありません。
伏線の張り方が下手というか、いろいろと詰め込んだせいで霞んでしまっているせいでしょうか、最後の謎解きの段階になっても意外な真相が語られる割にはどこか冷めてしまう部分があります。すぐに嘘だとわかるようになってはいるものの、地の部分で嘘を書いているのもいただけません。
登場人物においても、個人的に正親町(おおぎまち)君のキャラクターが気に入ったのですが、彼が何故この事件に関わらなければいけなかったのかよくわかりません、真犯人との対決の場面にもちゃっかり参加しているだけになおさらそう思えてくるのです。
とまぁ、苦言ばかり書いたのですが、一皮むければいずれ化ける作家だと思います。  

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2005年04月10日

こうして読む本がふえていく(下)



で「首切り坂」です。

いちおう始めから謎らしきものは語られるのだけれども、それが解かれなければならない謎なのか判らないまま話は進みます。
そして全体の3分の2を過ぎたあたりでようやく事件らしい事件が起こるのですが、この本、230ページしかありません。
これがおなじく、なかなか事件の起こらなかった「陰摩羅鬼の瑕」のように分厚ければ構わなかったのですが、「首切り坂」のように少ないページ数の場合、非常に心配になってきます。
探偵が最後に登場してあっというまに解決して終わりっていうパターンが嫌いなのです。
結局、謎そのものはシンプルだったおかげで嫌いなパターンにはならなかったのですが、謎を楽しむというよりも雰囲気を楽しむタイプのミステリーだったようです。

最初の数ページを読んで文章が気に入った人にはお勧めです。

で、「キルケーの毒草」をようやく読んでいるわけです。  

Posted by Takeman at 13:13Comments(0)TrackBack(0)光文社
2005年04月09日

こうして読む本がふえていく(上)



表紙を見ただけでこれはおもしろいに違いないって思う本に出会うことがあります。で、実際に読んでみてほんとにおもしろかったりすると、自分の眼力の確かさにほれぼれしたるするんですが、はずれる場合もたまにあります。

「キルケーの毒草」も書店で見かけてびびっときてしまったそんな一冊でした。

学生時分のように金はないけど暇はたっぷりある場合だと、直感にたよって本を読んでも平気なんですが、社会人となると、金は相変わらずないけど暇はもっとなくなってくるわけで、直感読みしておもしろくない本を読んでしまうようなもったいない時間の使い方が出来なくなってきます。
そうなると、一冊の本を読むにしても、ありとあらゆる情報網を使い、綿密なリサーチをしてその本が読むに値するようなおもしろい本かどうか調べたうえでないと恐ろしくて本なんて読めないわけです。すいません半分嘘です。

見知らぬ作家の分厚い本だったので調べましたよ。

そしたら「首切り坂」ってのがデビュー作で、「キルケーの毒草」は2作目だってことが判りました。しかも「首切り坂」の評判は結構いいみたいです。というか自分好みの内容っぽいです。さらに登場人物は重複しているようです。「キルケーの毒草」の方を先に読んでしまうと「首切り坂」のネタバレが入っているかもしれません。

ええ、買いましたよ「首切り坂」。  

Posted by Takeman at 13:31Comments(0)TrackBack(0)光文社