『傷だらけの店長』伊達雅彦

Takeman

2013年10月24日 19:59


  • 著: 伊達 雅彦

  • 販売元/出版社: 新潮社

  • 発売日: 2013/8/28

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本を読むことは好きで、本を集めることも好きで、そして本屋さんに行くことも好きなのだが、不思議と書店員になろうとか、出版社で働こうと思ったことはない。
多分それは僕が地方に住んでいるからで、東京で生活していたとしたら違っていたかもしれない。
というのも、地方の書店の品揃えというのはやはり違うのだ。
自分が読みたいと思う本がなかなか入荷しない書店というのは魅力に乏しく、一冊の本を求めて何軒かの書店を回ることをしていたほうが楽しいのだ。
で、この本を読むとやはり書店員になるという選択をしなくてよかったと思ったりもする。
それほどまでに書店員というのは労多くして実りの少ない商売でもある。少なくとも、この本を読んで書店員になりたいと思う人はよほど本が好きか、生活に困っていない人のどちらかなんじゃないかという気すらしてくる。
昔は、それぞれの書店で入荷される本の傾向が異なっていてそれぞれの書店での特色があったという記憶があったけれども、それは僕のいわゆる思い出補正であって、昔も今とそれほど変わらずどこの書店でも同じような品揃えだったのかもしれないと思っていたら、やはり実際はそんなことはなく、昔はそれぞれの書店での品揃えが異なっていたようだ。そして今は、やはりどの書店でも品揃えが似たような感じになってきている。特に大型書店はその傾向が強い。
でも、それでも僕は書店という場所が好きで、この先も暇がなくても書店に行くだろうし、無くなっては欲しくない場所でありつづけるだろう。

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