アンドロボット99

Takeman

2008年12月03日 12:30

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あまり期待はしていなかったのだけれども、これがどうして、なかなか面白かった。
時代は1999年、今となっては過ぎ去った未来の話なのだけれども、自立型のロボットが当たり前のごとく存在して、火星に植民地が作られた世界。ロボットコンクールに向けて主人公たち中学生があり合わせの部品を集めてロボットを作ったのだが、偶然にもそのロボットには人間の思念を読みとる能力が備わっていた。そのロボットを巡って地球と火星との大騒動み巻き込まれるという展開なのだが、細かな部分でいかにも今日泊亜蘭と思えるような設定が登場する。特に未来における日本語の変化といった部分においてはそこまで設定するのかと思うくらいに小ネタが効いている。
一方で、登場人物の名前も楽屋落ち的なネーミングで、ノダ・コータローは野田昌宏のことだろうし、伊藤のり雄は伊藤典夫のことだろう。宮崎ジュンは宮崎惇(つとむ)で、作中では忍術好きで猿飛のあだ名が付いている。宮崎惇は『ミスターサルトビ』という小説を書いていたから間違いないだろう。その他、柴野、平井といった名前が登場する。もっとも名字だけの場合は何ともいえないのだけれどもね。しかし瀬川博士は瀬川昌男のことだとみても構わないだろう。渚ルミ江は誰なのかわからなかったのだが、『シュリー号の宇宙漂流記』でもルミ江という名前の少女が登場することを考えると、何かあるのかも知れない。
それにしても、今回も15歳もの年の差のある結婚、もちろん男の方が年上である、があったりしたのが思わずにやりとさせられてしまった。

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