厚い文庫、薄い文庫 その2

Takeman

2005年05月20日 12:30

風に流されて、何か黒い紙のようなものが飛ばされていました。よく見ると小さなツバメです。ちょうど巣立ちの季節なのでしょうか。
前へ前へと飛ぼうとしているのに、風にまけて押し戻されてしまっています。
一生懸命飛んでいるのに、風にまけて横へと流されてしまっています。
かわいい声で鳴きながら飛んでいるその姿に柄にもなく「がんばれ」と声をかけました。

で話は変わりますが。

世の中そんなに甘くないというか、本の世界も奥が深いのです。
あれからまた書店に行って新潮文庫の棚を眺めていたら、さらに薄い本を見つけてしまいました。
志賀 直哉の「和解」。なんと120ページです。しかも字が小さい。総ページ数としては128ページとなってしまうのですが、藤沢 周平の「静かな木」よりも発行年が古いです。しかし、さらに調べてみると改版される前の「和解」は117ページです。
総ページ数は一緒だったものの、もっとも薄い文庫本は「和解」で決まりかなと思ったら、上手がいました。
アンデルセンの「絵のない絵本」は109ページです。総ページ数にして112ページ。
しかし、安心するのはまだ早かった。
谷崎 潤一郎の「春琴抄」は106ページ。
とりあえずこんなものだろうと、調べることは止めて本来の目的であるおもしろそうな本の物色に回っていたところ、岩波文庫のコーナーにたどり着きました。
なんだか薄い本が目に付きます。

トルストイ「イワン・イリッチの死」。105ページ。

恐るべし、岩波文庫。

しかし、新潮文庫で使われている紙は、ローラーで締めた薄く腰が強い紙を使っていると聞いたことがあるので、薄さという点では「春琴抄」の方が若干薄いのかもしれません。

厚い文庫、薄い文庫
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