『友罪』薬丸岳

Takeman

2013年08月23日 19:44


  • 著: 薬丸 岳

  • 販売元/出版社: 集英社

  • 発売日: 2013/5/2

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電子書籍版で読んだら、おまけで作者のインタビュー記事がついていた。こういうおまけは嬉しいね。
さて、あいもかわらず、薬丸岳という人は難しい問題をテーマに小説を書いてくる。今回はミステリ的な要素はまったくなく、いや、強いて言えば、犯人はすでにわかっていて、そしてその犯人に対して探偵がどのようにするのかという倒叙ミステリに分類されるといってもいいのかもしれない。
自分が仲良くなった友達が、過去に凶悪犯罪を犯していたことを知った時、それでもまだ友達として接するのだろうか、という問題を描いている。
可能性は少ないかもしれないが、他人事の話ではない。
自分の知り合いが、凶悪犯罪とまではいかなくても、過去に犯罪を犯し、そしてその罪をすでに償っていたとしたら、そのことを知った時、自分はどのような態度をとるのだろうか。
もっとも、これは犯した罪の大きさによる部分も多いだろう。単純に、罪を憎んで人を憎まずという行動に出ることができるのかといえば、難しいとおもう。
特に、その人物が犯した罪が大きければ大きいほど、さらにはその人物が本当に自分の犯した罪を悔いているのか、疑心暗鬼にとらわれるかもしれない。
そんな安易に答えの出すことができない問題に、よくもまあ、これしかないかもしれないと思うところに物語を着地させたものだと思う。

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