アルファ・ラルファ大通りの脇道

クラフト・エヴィングってご存じですか?
変態研究の第一人者であった医学者クラフト・エヴィングのことではありません。
クラフト・エヴィング商會の方です。
クラフト・エヴィング商會を初めて知ったのは、「ないもの、あります」という本があることを耳にしたことからでした。
左うちわ、 思う壺、 一筋縄など耳にしたことはあるけれど実物は見たことがない(当たり前ですが)ものを実際の品物として紹介してしまった本らしいのです。
「らしい」と書いたのは、私もまだこの本を見たことがないからです。
書店で注文すれば実物が手にはいるのですが、しばらくの間はこのまま「耳にしたことはあるけれど実物は見たことがないものを集めた『ないもの、あります』という本があるらしい」とメタ的な楽しみ方を勝手にしております。
「アナ・トレントの鞄」も今までのクラフト・エヴィング商會の本らしく、「ないもの、あります」を貫く系統の本です。
映画「ミツバチのささやき｣の主人公アナ・トレントが持っていた鞄が欲しくなり、早速仕入れの旅にでた著者が旅の途中で手に入れた現品限りの様々な品物。
ほのかに先っぽだけ光っている稲妻の先っぽ、道化師の鼻と魚拓ならぬ鼻拓、七つの瓶に入れられた七つの夜の香り等々、34個の商品が写真付きで紹介されています。写真付きというところがポイント。
「七つの夜の香り」ってどんな商品なのか想像がつきますか?