アルファ・ラルファ大通りの脇道

「フランス鍵の秘密」と聞いてついついエラリー・クイーンの国名シリーズを思ってしまいました。あちらは「フランス白粉の謎」でしたが。
それにしても今時、フランク・グルーバーなんてと、もちろん他意はないのですが、新刊ではなく復刊だと思ってしまいましたよ。発行年を見ると今年の日付で、「初版」の文字がしっかりと印刷されている。まぁ面白い本を読むことができるのであればこちらは一向に構わないのだけれども、ちょっと心配にもなってきたりもするのです。
とかなんとかいいながらも数年前に東京創元社が復刊してくれた「コルト拳銃の謎」の方は積読のままになっているので、こちらもそのうち倉庫の中から引っ張り出してきて読まなければいけないなぁと思う次第であります。
で、まぁ話の方はというと1940年代の話なので、風俗や文化などが現在とは全然違う。そもそも「フランス鍵」って何ですかってところから始まるのだけれども、そういった部分は読んでいるうちにわかるので問題なし。でもこの風俗の雰囲気、既視感があるなぁと思っていたらコーネル・ウールリッチの世界と同じじゃないかということに思い当たる。
あっちも同じ時期の話なので風俗描写が同じ感じになるのは当たり前だ。

とかなんとかそんなことを思いながら楽しく読了。「フランス鍵」が何なのかわかったので一つお利口にもなりました。もちろん今時「フランス鍵」が何なのか知っていたところで何の得もないのだけれども。